僕はソフトウエア設計を生業としているのですが、何かの拍子に、今迄動いていたソフトが急に動かなくなる事があります。そういう場合は大抵、ハードウエアの試作の版が上がっただとか、 BSP (Board Support Package の略でしょうかね) が更新されただとか、何かの切っ掛けがある訳ですが、その時に大切だと思っている事がひとつだけあります。
それは、犯人探しをしない事。これができない人が実は多い気がします…実は僕も、以前はそうだった。
何か悪い事が起こった時は、各自が持つ知識、経験、勘、運を全て注ぎ込んで、可能な限り迅速に、良い方向へ進めるという事が大事ですね。誰が悪いか、という考えは保身に繋がると思います。僕の考えでは、保身は技術者には必要では無いですね。自分は悪くないと思い込みたい気持もわからなくは無いのだけれども、この世界 (ソフトとハードの世界) は全て、演繹的に証明できる事象から成り立っているという事実に、真剣に向き合わないといけないと思っています。保身に走った所で、自分の間違いを証明されちゃえば即、アウトですから。
僕は腕の立つ技術者という訳では無いし、冷静沈着でも無い、その上走りながら考える性質だから、沢山の間違いををします (それはそれでまずいですね…) 。然るに、何が正しいかなんて決して分からないのだけれども、正しい事を探す事は止めてはいけないのです。
だから、問題が起こった時は「問題の有る事が判って良かった」と心から思います。そして問題が解決した時は、本当に嬉しい。誰が原因を作ったかなんて関係無いじゃない、より良い製品が世に出る事になるのだしね。
メーカーの方々にはそういう気持ちで製品開発に取り組んで欲しいですね。常に外注が悪いという結論に至るストーリーに拘らないで欲しいです。結局、良い製品ができなくて一番困るのは、メーカーなんですから。製品が売れてなんぼ、あなたたちのお給料は、そこから回収されるという事に気づいて欲しいですね。やはり、大企業になると、このあたりの感覚が麻痺してくるのでしょうか。本田宗一郎を思い出して欲しいです。ほんま。
正社員や外注さんの区別なく「まず俺は悪く無い」という考えの人、いますよ。まあ外注さんの場合は、お金が絡んでるから「まずはそう主張しろ」という風に、営業から言われているのかもしれませんが。
ちなみに今回の記事は今の仕事の話じゃ無いんですよ 🙂